「た―」

彼女とダンスを踊っていた。そうしたら目が覚めた。
マイクの前でしゃべっていた。 何かを叫んでいた。誰が聞いてるか
なんて知らないが とにかくしゃべっていた。
フリースローの練習をしていた。今日は全然入らない日だった。
久しぶり過ぎたんだ。
背泳ぎをしていた。いつまで経っても端に着かなかった。25mなんて
とっくに過ぎていた。天井を見ながら泳ぎ続けた。
彼女とダンスを踊っていた。いつまでも踊っていた。
ずっと歩いていた。先の先は見えなかった。河川敷を歩いていた。
見晴らしは最高だった。
水に映った自分を見ていた。ただ眺めていた。ただ眺めていた。
映画館で映画を見ていた。ずっと目をつぶっていた。それでも映画を見ていた。
泣いていた。彼女の前で泣いていた。彼女は何も言わなかった。
横になっていた。保健室で。ずっと眠っていた。五時間目は。ずっと
眠っていた。
泳いでいた。魚の様に、海の中を。
彼女とダンスを踊っていた。スローなダンスを。二人は幸せだった。
テニスをしていた。ただボールを飛ばしていた。
文字を書いていた。一人。文字を書いていた―3/5(木)

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください